6月のラブソング

ご贔屓は大空祐飛さんと蒼羽りくちゃん。永遠にスペシャルなのは本山雅志選手。そんなももたが日々のよしなしごとを自己満足気味につづる日記です。

2017-04

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国歌と愛校心の狭間で@「カサブランカ」に関する超個人的呟き

「カサブランカ」の映画でも今回の宝塚版の舞台でも、非常に感動的で盛り上がる重要な場面のはずなのに、個人的にどうしても醒めてしまって一緒に盛り上がることができないシーンがあります。

2回目観劇の前に、気持ちを整理するために、超個人的呟きを吐き出しておきます。


ゆうひさんにも宙組にもタカラヅカにも直接関係のない内容ですので、興味のない方はスルーでお願いいたします。




劇中、クライマックスの一つである、いわゆる“国歌対決”の場面。

初日の舞台を観ながら、20年以上前にテレビの深夜放送で初めて「カサブランカ」を観た時の驚きを思い出しました。

あの場面でナチス・ドイツの国歌として歌われる曲なんですが。

なんと、私が中高6年間を過ごした愛する母校、同志社の“校歌”にあたる「Doshisha College Song」と全く同じメロディーなんです!

映画を観た時は、たぶんまだ中学生だったので、
「??? なんでナチス・ドイツ軍がウチの学校のカレッジソングを歌ってるの? っていうか、カレッジソングはウチのオリジナルじゃなくて、元歌があったの???」
と頭の中が疑問符でいっぱいになったのですが、ネットなどもなかった当時はその疑問を解決する手段もなく、思い入れの深い校歌と同じメロディーのその曲が「悪の象徴」として使われていることになんとなーくやな感じを抱きながら、そのままやり過ごすしかなく。

実は私にとって「カサブランカ」といえば一番に連想するのが、この曲のことだったのでした。

今回、長年の疑問を解決すべく調べてみました。


「カサブランカ」の中でドイツ将校たちが歌うのは、当時、第三帝国の“国歌”的に歌われていた「Die Wacht am Rhein(ラインの護り)」という曲です。
この元歌の歌詞がドイツで書かれたのは1840年。
フランスがライン東岸まで国境を拡大する「ライン危機」が起きた時、ドイツ国内で「ラインを護れ」の声が高まる中、マックス・シュネッケンブルガーがタイトルを「die wacht am Rhein」として歌詞を書き上げ、翌1841年に音楽家カール・ウィルフェルムが作曲を手がけて発表しました。
以降、国民的愛唱歌となり、特に1870年の普仏戦争の際にドイツで国歌のように歌われるようになったんだそうです。
(作曲の年には諸説あるようですが・・・)

もともと国威掲揚のために作られた曲なので、メロディーは非常に威勢が良く若々しい。
それに目を付けたのが、アメリカのイェール大学。
彼らはそのメロディーに自分たちで歌詞を付け、大学歌としました。
(おそらく当時のイェール大の教職員にドイツ出身者が多かったのだろう、とのこと)

さて、一方、わが同志社では。
もともと賛美歌を校歌のように歌っていたのですが、日露戦争後、他大学で校歌を作る動きが盛んになり、その必要性が高まってきました。

そのころ、同志社で合唱の指導をしていたのが、シドニー・ギューリック先生。
彼はアイビー・リーグの一つ、ダートマス大学の出身で、イェール大学からも神学博士号を取得しているなどなじみがあり、合唱指導のテキストとしてイェール大学の校歌集を使っていました。

1908年、同志社グリークラブの学生たちから校歌の要望が高まり、ギューリック師は近江兄弟社の創始者として知られ、同志社ともゆかりの深いW.M.ヴォーリズ師に相談します。
ヴォーリズ師は、イェール大学の校歌のメロディーである「ラインの守り」が、最も青年らしくて元気に満ちていることから、
(当時の同志社にイェール大出身者が多数いたことも影響しているらしい)
これを採用し、「同志社」を「One purpose(一つの志)」と英訳して、これを巻頭に冠した校歌を作詞。
1909年に正式に校歌として制定された、ということです。

ちなみにこの曲は、映画「西部戦線異状なし」の学徒動員の場面でも使われているほか、ジャン・ルノワール監督の「大いなる幻影」でもドイツ兵が合唱する場面があるそうです。
(どちらも私は未見ですが・・・)



・・・なるほど。
調べてみると、ふーん、そうなのか、という事情なのですが。

でも、同志社出身者・・・特に、中学からの内部生にとっては、本当にこの曲は特別な曲なのです。
たぶん・・・他の公立の学校の生徒の校歌に対する想いとは違うのではないか、と思うのですが。
呼吸するよりも前に精神の奥底に沁み付いた曲。
そう、ちょうど、タカラジェンヌにとっての「すみれの花咲くころ」と同じような存在なのです。

新島襄が作ったプロテスタントの学校である同志社。
カレッジソングの歌詞には、その建学の精神が凝縮されています。
同志社中の1年生は、入学すると同時に、まずこの校歌を完璧にマスターすることから始まるのです。

ちなみに1番の歌詞は以下の通り。
(4番まであります)


One purpose, Doshisha, thy name
Doth signify one lofty aim;
To train thy sons in heart and hand
To live for God and Native Land.
Dear Alma Mater, sons of thine
Shall be as branches to the vine;
Tho’ through the world we wander far and wide,
Still in our hearts thy precepts shall abide!


古語が使われているので分かりにくいのですが、ざっと訳すと、

同志社よ、その名は一つの目的を意味する。
その学徒を精神的、肉体的に鍛え、
神のため、祖国のために生きんとする一つの崇高な目的を。
親愛なる母校よ、その学徒たちは、
葡萄の枝のごとくつながりゆくことであろう。
たとえ世界くまなく、広くはるかに我らさ迷うとも
汝の教訓は我々の心に永遠に生き続けるであろう。

・・・みたいな感じでしょうか。


中学1年の音楽の最初の授業で、カレッジソングの歌詞が書かれたプリントが配られ、簡単に意味は説明してもらうけれど、まだ英語を習い始めたばかりで何も分からないまま、とにかく発音をカタカナで書き込まされ、そして、それを暗記して歌うテストが1カ月後くらいにありました。
中学では「聖書」っていう科目もあるんですけど、確か聖書の授業でも歌詞を書くテストがあった覚えがあります。

最初、訳もわからないまま、「校歌が英語なんてカッコイイよね!」というミーハーなノリで(笑)歌っていた私たちですが、歌うにつれて、「ああ、私たちは永遠に『葡萄の枝』なんだなぁ」と愛校心が深まっていく・・・そんな曲で。
中高6年間、キリスト教教育を受けた私ですが、全くクリスチャンではありませんし、大学は外部受験したので、生粋の同志社人の方から見ると同志社愛が薄いと思われるのかもしれません。
それでも、あのメロディーが心によみがえるたびに、毎朝、眩しい光がステンドグラス越しに差し込む肌寒いチャペルでの礼拝の時間、「天のおとうさま」に子どもらしい真っ直ぐな正義感で世界平和を祈ったことや、もうちょっと卑俗的に「今日のテストでいい点が取れますように」とか「○○くんとしゃべれますように」とか(笑)祈った日々を思い出して、郷愁のあまり泣きそうになります。


そんな、心の一番柔らかい場所に大切にしまっている曲が、「カサブランカ」のあの場面で、一方的に「悪の象徴」として使われているのを観ると、
(いや、まあ、あれはカレッジソングじゃなくてナチスの国歌なんだから仕方ないっちゃ仕方ないのですが・・・)
なんともいえない悲しさとやりきれなさが入り混じった複雑な気持ちで。
くそー、なんだよぅ、「ラ・マルセイエーズ」がどれほどのもんなんじゃい! 
という気になってしまうのです。

例えて言うなら、全然関係ない芝居で突然、悪役たちが「すみれの花咲くころ」を歌って、主人公たちがOSKの「桜咲く国」を歌って、「すみれ」の方が打ち負かされて物語は万々歳、みたいな場面が出てきたら。
きっとヅカファンとしては、あまりいい気がしないと思いませんか?
(いや、別にヅカとOSKを対立させるつもりはないのですが(私はOSKも大好きだし)、分かりやすい例えだと思ってください(汗))



あそこで本当に、意識を切られることなく感動できたら、もっともっと「カサブランカ」の世界にどっぷり浸ることができるだろうになぁ・・・。

まあ、言っても仕方ないことなので、なるべく醒めている時間を短くして、すぐに物語の流れに乗り直せるように頑張るしかないですね。
観劇回数を重ねたら、慣れてくるかな。



ちなみに、高校からの入学生は、ここまで思い入れはないのかな。
礼拝とか行事とかでしょっちゅう歌うけど、授業ではあらためてやらなかったと思うし。
大学だけの人は、もっとなじみが薄いみたい。
体育会では歌うので、思い入れがあるようですが、文化系だと縁がないらしいですし。
ウチのオットは地方出身で大学だけ同志社なのですが、「聴いたことはあるけど歌詞は全然知らないし、特に愛着もない」って言ってます。
最近は小学校ができたので、今は小学校で教え込んで、中学入学時にはそれほど熱心に教えなくなっているのかな・・・? どうなんでしょうね。

昨日は実は、年に1度のホームカミングデイ(中高全学の同窓会)で。
烏丸今出川にある中学の校舎が今年限りで移転して取り壊されるため、初めて中学校舎の公開があったんです。
卒業後、同窓会には全然顔を出してなかったのですが、懐かしい校舎だけは見納めしておきたくて、仕事の合間にのぞいてきました。
ところどころ変わったところもあるけれど、教室の配置が昔のままで、ちゃんと自分のクラスがその場所にあるのが嬉しかったです。
大好きなチャペルにも入ってきました(時間がなくて、特別礼拝には参加できなかったけど)
カレッジソングのプリントに一生懸命カタカナでルビを振った、4階の角の第1音楽室も、そのままだったよ(涙)

そんなこともあって、ついつい熱く母校愛を語ってしまう今日なのでした。

コメント

少佐の屈辱

通りすがりの宙ファンですが、興味深く読ませていただきました。
なかなか複雑ですね。
でもこれは、あの舞台上のシュトラッサー少佐の屈辱感を、本当の意味で理解できるという、ある意味貴重な一人でもあるということではないでしょうか? 今日こういった文章を読んで、その気持ちに触れることで、我々もより深く「カサブランカ」の世界を理解できるようになるかも知れない、と思いました。
とても興味深い文章を読ませていただき、ありがとうございました。

私も通りすがりの大空さんファンですが、思わずコメントさせて頂きます。
切れ味バツグンのレポや感想素晴らしいと感じています。
が、お気持ちはすごくわかりますがあまり深く考えないように....
あくまでも物語の中の話で、そこまで突っ込むと気持ち的に勿体ないですよ。
素晴らしいお披露目の舞台時代の流れ、背景として割り切って楽しみましょう。
あまり学校名を連発されるのも恥ずかしいですが、嬉しい気もしましたよ。
たぶん貴女様より先輩の中学からの付属生(子供も今同志社中生です)

コメントありがとうございます

ikkiさま>

こんにちは。
博多座の時に、モンチくんのことでコメントくださったikkiさまですよね・・・?
またいらしてくださって嬉しいです。ありがとうございます。

しかも、こんな個人的な記事を「興味深い」と言っていただいて恐縮です。

>あの舞台上のシュトラッサー少佐の屈辱感を、本当の意味で理解できるという、ある意味貴重な一人でもあるということではないでしょうか?

うわぁ、そんな風に言っていただけると、少しほっとします。

先日、2回目観劇してきたのですが、おっしゃるとおり、あの場面だけ思いっきりシュトラッサー少佐に感情移入して観てしまいました(笑)

これも「カサブランカ」の楽しみ方の一つ、と思って、自分の感じるままに身をゆだねたいと思っています。

初めまして

kokoさま>

うわぁ、先輩ですね!
コメントありがとうございます!!!

そうですね、私も頭では割り切っているのですが、
長年心に引っかかっていたことなので、思わず熱くなって書いてしまいました(汗)

2回目観劇したのですが、なるべく気にしないようにしようと思っても、
やっぱりあのメロディーが始まると、脳内で勝手に
「One purpose, Doshisha・・・」って歌ってしまいました(苦笑)

でも、これも同志社関係者だけにしかできないレアな楽しみ方かも(笑)
と思えるようになってきました。

いつもグダグダと長文のブログですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

ナチス?

あの曲、ドイツ国歌ではなくて軍歌であります。
更にドイツ軍の軍歌でありますが、映画の時代背景からして、ヒトラー率いるナチスドイツ軍の登場する100年前に歌われていたもの。ナチスドイツやドイツ国歌とは関係ありません。

外国の人が、日本人は今でもチョンマゲ、刀姿。女性は着物姿で、男性の三歩下がった後を歩いている。

と、考えている位の時代のずれがありますねぇ。

通りすがりの、、

香里(男子校時代)卒業生です。

私も同志社には中学、高校、大学、おまけに大学院まで、当時の人生の半分にあたる12年間を過ごさせてもらい、もちろん、カレッジソングにも大変な思い入れがあり、人の迷惑省みず、鴨川沿いで歌い上げたことも数知れず。。f^_^;

『カサブランカ』もそうですが、“ラインの護り”は、第二次世界大戦時の映像にちょくちょく挟まれることが多い曲のようです。

ナチスを肯定する気はさらさらありませんが、この曲を聞くと、自分のカレッジソングへの思い入れと共に、この曲を歌う人たちの誇りを感じ、なんとなく勇気が出ます。

曲に善悪は無いと思うので、世界に広く知られている、愛されている曲だと思い、これまで通り、誇りを持って愛していきましょう!(^O^)

すいません、だいぶ昔の記事に。。f^_^;

ありがとうございます

だいごろうさま>

初めまして。
なぜこんな僻地ブログにいらっしゃったのか分かりませんが(笑)、コメントありがとうございます。

この記事、同志社OB、OGからの反響が大きくて、アップした当時もたくさん拍手コメントをいただいてたんですよ。

香里ご出身の方にとってもカレッジソングはやっぱり宝物なのですね。

私も日常のなんでもない時に、ふと口ずさんでしまいます。
世界に誇れる「校歌」として、ずっとずっと歌い継がれるといいですね。

本当

たまたまです。f^_^;
縁ってすごいもんですね!笑

カレッジソング

 ももた様
 
 感謝します。長年の鬱憤が晴れました。私も何十年か前に、あのシ
 ーンに衝撃を受け、???の状態でした。人に話しても全く関心を
 示されず、調べる術もなく年月が過ぎましたが、カサブランカという
 言葉に出会うと、いつもあのシーンが甦りました。同じ思いをしてい
 た人がいたんですねぇ。たまたま高村智恵子を検索し、福島→新島八重
 →同志社→カレッジソング→V.Wヴォーリズ→ラインの守り…と進むにつれ、
 途中からはもしやもしやと辿ってきて、ももた様のサイトに着きました。
 (なんたる執念!) インターネットはほんとうにありがたいです。
 お元気で。心からありがとう。  1970年度生。体育会出身。

ありがとうございます

yokoさま>

初めまして。コメントありがとうございます。
お返事大変遅くなり、申し訳ございません。
(もう見ていらっしゃらないかも…(汗))

ああ、同じ思いをされてた方がいらっしゃったんですね。
私も当時、びっくりして母に話したのに、同志社OGではない母は特に興味を示さなくて。

本当に、インターネットのおかげで、長年の疑問が解消されました。
先輩のお役に立てて、私も嬉しかったです。ありがとうございました。

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プロフィール

ももた

Author:ももた
2005年5月からしばらくの間、演劇に関する文章を書くお仕事に携わっておりました。
(現在は別のジャンルの文章を書いております)
2006年5月、仕事で観劇した月組公演「暁のローマ」でカシウスに堕ち、坂道を転がるように現在に至ります。
タカラヅカとの出会いから立派なヅカヲタに至るまでの詳細は、ブログ内の「ゆうひさん堕ちの軌跡」全3回に書いておりますので、ご参照ください。
現在は、俳優としてのゆうひさんをまったりマイペースで愛でつつ、宝塚を中心に興味のある舞台を観ています。

2016年8月、9年前の初舞台から密かに(?)愛でてきたりくちゃんに、本格的に囚われていることをやっと自分で認めました。
これからはおおっぴらにファン道を歩きたいと思います(笑)

モトサポ歴は16年余。
何があろうと「モトヤママサシ至上主義」です。
同時に79年組を偏愛してます。
黄金世代は永遠です。
モトが18年在籍したクラブへの愛着はありますが、2016年は鹿観戦は少しお休みし、初心者ギラヴァンツ北九州サポとして一から勉強する所存です。

ヅカネタもサカネタも、基本的にミーハーかつフジョシ目線で語っております。
NGな方はスルーをお願いします。

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