6月のラブソング

ご贔屓は大空祐飛さんと蒼羽りくちゃん。永遠にスペシャルなのは本山雅志選手。そんなももたが日々のよしなしごとを自己満足気味につづる日記です。

2017-10

役者と云うもの@加藤健一事務所「モリー先生との火曜日」観劇感想

私がもう20年来、ずっと好きな舞台が、加藤健一事務所のお芝居です。

一番最初に観たのが、1990年の「セイムタイム・ネクストイヤー」。
(それから2回、再演を観ましたが、カトケン事務所の数多くのレパートリーの中で、やっぱりこの作品が今でも一番好きです)
その後も、学生時代はほぼ毎作品観ていたのですが、社会人になってからは、日程調整が難しくなったのと、おそらく財政事情からか京都へ回ってこない公演も多くなったこともあり、飛び飛びにしか観られていないんですけど。

とにかく、加藤さんの巧さと芝居への情熱に、ずっと尊敬の念を抱き続けてきました。

まさか、後に、加藤さんが舞台初演で演じた「蒲田行進曲」の銀ちゃんを、現在のご贔屓、ゆうひさんが演じることになるとは思いもしていませんでしたが。

そういえば、今度トドさまがやる「第二章」も、私は1992年の公演を観たんですよね。
ねねちゃんの役が高畑淳子さんで、本当に面白かったなぁ。
「おかしな二人」もカトケン版を観ていたけど、ヅカ版は結局観られなかったので(バウの時はチケットは取っていたのですが、直前になってアントラーズのオープンスタジアムイベントが決まって。あれほどのプラチナチケット、お譲りする間もなく無駄にしてしまったのでした…ごめんなさい)、今度の「第二章」はすごく楽しみです。



近年は、ツアー公演が年1回になってしまったので、なかなかタイミングが合わず、一番最後に観たのは2009年の「パパ、I LOVE YOU!」までさかのぼってしまいます。
今回は、京都公演の日は別の予定が先に入っていたので、あきらめるつもりだったのですが、前打ち記事を読んでいると、やっぱりどうしても観たくなって、昨日、兵庫芸文まで行ってきました。


…行って良かった。
2幕の後半は、タオルハンカチを口に押し当ててダダ泣きでした(号泣)


以下、ネタバレありの感想です。






人気スポーツライターのミッチは、大学時代の恩師モリー先生がALSに冒されていることを知り、卒業以来16年ぶりに会いに行く。
一度だけの訪問のつもりだったのに、「君は自分自身に満足しているかい?」という先生の言葉が脳裏から離れず、ミッチは再びモリー先生に会う。
そして、毎週火曜日、モリー先生の自宅で、二人だけの講義が始まった。死について、老いについて、そして許しについて…。

実話を基に、ミッチ自身が原作・脚本を手掛けた二人芝居。

途中までは、「いい話だけど、やっぱり地味だよなぁ…」と思いながら観ていたのですが、いつの間にか引き込まれていて、2幕の最後の講義は、ただただ、涙ナミダ、でした。



今回の公演の最大のポイントは、なんといっても、モリー先生を加藤さんが、そしてミッチを息子の加藤義宗さんが演じる、というキャスティングにあると思います。

私、義宗さんが出たカトケン事務所の舞台は、初舞台から幾つか観ているんですけど、今までは、あまり役者としての義宗さんにピンとこなかったというか、正直に言うと、いくら加藤さん主宰の舞台でも、息子を出すってどうなの…という気持ちが拭えなかったんですよね。

でも、今回は。

「コーチ」と慕うモリー先生の言葉から、さまざまなことを教えられ、気付かされるミッチと、一対一の芝居を通して父親からさまざまなことを教えられ、何かを受け取っている義宗さん、という構図がリンクして、胸を打たれました。

それに、ミッチは元ジャズピアニストで、舞台上でピアノの生演奏をする場面がたくさんあるんですけど、義宗さんのピアノが本気で上手くてびっくり!
全然知らなかったのですが、ずっと音楽の道も志して本格的にやっておられたんだそうですね。

確かに、加藤さんが「このキャスティングじゃなきゃだめだと思った」とおっしゃった意味が分かりました。



プログラムに、加藤さんと義宗さんにそれぞれ「台本の中で一番好きな台詞とその理由は?」って尋ねるコーナーがあるんですけど、私自身は、最後の講義の中での、

「たとえ自分が100%正しかったとしても、相手を許しなさい。そうすれば、争いは起こらない」
(すみません、うろ覚えで、正確ではないかもしれませんが…)

という言葉が、とても印象的で、衝撃的でした。

誤解を恐れずに言うと、…アメリカ人にも、こういうことを言える人がいるんだなぁ、というのは新鮮な驚きだった、というか。

モリー先生がこの言葉を発したのは、1995年の秋。

湾岸戦争でも、後の9・11の時も、「アメリカこそ正義」を掲げて突っ走る国の中で、ちゃんとこういう人がいるんだ。
そして、その人の言葉を記した本がベストセラーになり、人気の舞台になり…っていうのは、アメリカも捨てたもんじゃないのかな…なんて思ったりしたのでした。




加藤さんは、だんだん動けなくなり、最後にはベッドの上にいる役なんだけど、動けない演技が本当に上手くて、観ていると、本当に加藤さんが老いて衰えていくみたいで胸が詰まりました。
最後なんか、ほとんど動きはなくて、ただ穏やかな表情と、ゆったりしたセリフの声音だけで、ものすごく能弁に物語を伝えてくれるんですよね…。
ああ、久しぶりに観たけど、やっぱり役者・加藤健一は素晴らしい。

そして私自身も、年を重ねたんだなぁ、と思いました。
老いをテーマにしたお芝居とか、加藤さんの老け役とか、以前はあまり好みではなかったのですが、今回は、しみじみと心に沁みました。
今回、自分の中での立ち位置は、どちらかといえばまだミッチの側に近いんだけど、でも、モリー先生の言うことも少しずつ実感できるようになってきていて。





もうひとつ、心に残ったこと。

プログラムの中で、加藤さんが自身の「恩師」について語っておられます。

演出家の早野寿郎さんから教えられた「役者と云うものは常に、芸術の女神の衣の裾に一瞬でもふれようとしてジャンプし続けるものです」という言葉を、今でも常に肝に銘じている、のだそうですが。


…ゆうひさんも、こういうタイプの役者さんだよなぁ。

って思って、なんだか少し、嬉しかったのでした…。




カトケン事務所の「モリー先生」は、もう四国公演しか残っていませんが、チャンスのある方はぜひぜひご覧になってください。


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プロフィール

ももた

Author:ももた
2005年5月からしばらくの間、演劇に関する文章を書くお仕事に携わっておりました。
(現在は別のジャンルの文章を書いております)
2006年5月、仕事で観劇した月組公演「暁のローマ」でカシウスに堕ち、坂道を転がるように現在に至ります。
タカラヅカとの出会いから立派なヅカヲタに至るまでの詳細は、ブログ内の「ゆうひさん堕ちの軌跡」全3回に書いておりますので、ご参照ください。
現在は、俳優としてのゆうひさんをまったりマイペースで愛でつつ、宝塚を中心に興味のある舞台を観ています。

2016年8月、9年前の初舞台から密かに(?)愛でてきたりくちゃんに、本格的に囚われていることをやっと自分で認めました。
これからはおおっぴらにファン道を歩きたいと思います(笑)

モトサポ歴は16年余。
何があろうと「モトヤママサシ至上主義」です。
同時に79年組を偏愛してます。
黄金世代は永遠です。
モトが18年在籍したクラブへの愛着はありますが、2016年は鹿観戦は少しお休みし、初心者ギラヴァンツ北九州サポとして一から勉強する所存です。

ヅカネタもサカネタも、基本的にミーハーかつフジョシ目線で語っております。
NGな方はスルーをお願いします。

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