6月のラブソング

ご贔屓は大空祐飛さんと蒼羽りくちゃん。永遠にスペシャルなのは本山雅志選手。そんなももたが日々のよしなしごとを自己満足気味につづる日記です。

2017-04

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桜と共にいま散りゆく@文楽4月公演「菅原伝授手習鑑」第2部観劇感想

ゆうひさんご出演時以来の日本橋・国立文楽劇場に行ってきました。

文楽4月公演は、国立文楽劇場開場30周年記念であると同時に、御年89歳、七世竹本住太夫師の引退公演。

大阪の魂、文楽のこころそのものをいつも語ってこられた住さんの語りの、聴き納めとなりました。



お仕事で担当を離れてから、なかなか日本橋まで足を運ぶのが難しく、文楽とはずいぶんご無沙汰になってしまっていました。

某ハシモトの暴挙が始まってからは、遠くから心密かに気をもむ日々でしたが、そんなさなかに住さんが倒れた、との報に接した時のショックは忘れられません。
言葉は悪いですが、これって、明らかに、〝憤死〟じゃん、って。
あの、芸のこころを一片も解さないエセ政治家のせいで、大阪の至宝をむざむざ喪ってしまうことになったのだ、と。

その後、住太夫師は過酷なリハビリを続け、見事に床の上に帰ってこられました。
でも、私は復帰後の語りをナマで聴くことができていなくて。
次の公演こそは、と思っていた矢先の、引退発表でした。

今度こそ、何をさておいても聞き逃してはならじ、と劇場に駆けつけました。


4月8日の第2部(夜公演)。
今回の公演は、午前と午後、トータル9時間以上かけて、「菅原伝授手習鑑」の通し上演をしていて、本当はできれば通しで観たいなぁ、と思ったのですが、なかなか丸一日観られる日程が取れそうになく、とにかく夜だけは観ることに。
急に仕事が入ったりして結局観られずに終わった、などということがないようにと、初日開けて間もないうちのチケットを押さえました。



2部は三段目と四段目。
「車曳」の後5分休憩を挟み、「茶筅酒」「喧嘩」「訴訟」そして引退狂言「桜丸切腹の段」まで一気に続きました。

「訴訟」が終わり、ぐるりと床が回ってその姿が現れた瞬間、胸がいっぱいになって早くも涙腺が一気に緩んでしまった私。客席は万雷の拍手。もちろん、私も痛いほどに手をたたきます。「待ってました!」の思いを込めて。


そうして、静かに語り始めた住太夫師。

4年ぶりくらいに聴く住さんの声は、…ああ、こんなに声量が落ちてしまわれたんだ、と正直ショックでした。
もともと、ご自身も認める「悪声」の住さんですが、私が文楽を観始めた当時は、もっともっとパワフルで、余裕がありました。
昨日の語りは、「これが今の精一杯」なのだ、と思った。

でも。

往年の声の張りや伸びがないからこそかえって、その抑えた調子の節回しに、登場人物の想いがにじみ出るようで、なんとも言えず胸に迫るのです。

そう、例えば、声だけなら、「喧嘩」を語った咲甫さんなんか、ああ、ええ声やわぁ~、と思いながら聴けるし、そこそこ上手い。
でも、やっぱり、住さんのしゃがれ声の方が、ずっとずっと味があるんですよねぇ…。

梅と桜が咲き競う美しい春の日に、自らの最期を覚悟する桜丸。
自らの70歳の賀のめでたい日に、我が子の決心をただ見届けることしかできない白太夫。
愛する夫を見守ることしかできない、八重。

それぞれの想いが、なぜ、ただ一人の太夫の声からこんなにリアルに伝わってくるのだろう。
どうしてこんなに心を揺さぶられるのだろう。
そう思うと、泣けて泣けて仕方なくて。
「泣くない」「アイ~」の繰り返しのところで、客席から地鳴りのような拍手が起こるのでした。


…来月の東京には行けませんが、大阪での最後の舞台を観られて良かった。
最後まで、渾身の力で浄瑠璃に向き合う住太夫師の姿を見届けられて良かった。
心から、そう思いました。

プロフェッショナルなので、大丈夫だとは思いますが、あとはとにかく、5月の千秋楽まで、無事に勤め上げられることをただただお祈りしております。


あ、ちなみに、この段は人形遣いも、蓑助さんの桜丸と文雀さんの八重、というお二人の人間国宝が、引退興行に花を添えられましたが、それもまた素晴らしかったです。

のれんの奥からゆっくりと姿を現す桜丸のすっきりと美しいこと。
悲しみにうろたえる八重の哀れで可憐なこと。
切腹の後、梅王丸の女房春にすがって泣き伏す姿がとてもいじらしくて涙を誘われました。




その他の段も、それぞれに見どころ、聞きどころがあり。
後半だけですが、こうして続けて観ると、物語が良く分かって面白かったです。

「車曳」とか「寺子屋」は歌舞伎でも何度も観た段なので、見比べるのも楽しいし。

「天拝山」の段は初めて観たかも。
怒りに燃える菅丞相が迫力満点でした。玉女さんは大きく遣ってらっしゃるなー、と感じました。

「寺子屋」は、やっぱり勘十郎さんの松王丸が格別。
嶋太夫さんも額に汗しての熱演、引き込まれました。





初めて取材の場で住太夫師にお会いした時、「こんなに気さくな人間国宝がいはるんや」って驚いたものです。
芸はもちろんですが、人間味あふれる普段のお顔、そのお人柄も、大きな魅力でした。

そういえば、いつだったか、住さんが何かの賞を受賞されたお祝いのパーティーに呼んでいただいたことがあり。
その席で、麻実れい様にお目にかかったのも私の演劇担当時代のかけがえのない思い出です。
ターコさんのご主人が、住さんを支援してらっしゃるか何かで、ターコさんも長年、親しくしていらっしゃるらしく。
立食パーティーでしたが、開宴から少し遅れてこっそりと入っていらっしゃったターコさんに、旧知の先輩記者がもっと真ん中に来てお食事されるように勧めると、「あら、ありがと」ってサラッとおっしゃりつつも控えめに端の方でグラスを受け取っていらっしゃるのが、さりげなくて素敵で、思わず見とれたものでした。




閑話休題。

5月の東京は、もうほぼ完売のようですが、大阪はまだ若干残ってるのかな。
文楽の歴史に残る偉大な太夫の最後の語りを、皆様、どうぞ聴きにいらしてください。

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プロフィール

ももた

Author:ももた
2005年5月からしばらくの間、演劇に関する文章を書くお仕事に携わっておりました。
(現在は別のジャンルの文章を書いております)
2006年5月、仕事で観劇した月組公演「暁のローマ」でカシウスに堕ち、坂道を転がるように現在に至ります。
タカラヅカとの出会いから立派なヅカヲタに至るまでの詳細は、ブログ内の「ゆうひさん堕ちの軌跡」全3回に書いておりますので、ご参照ください。
現在は、俳優としてのゆうひさんをまったりマイペースで愛でつつ、宝塚を中心に興味のある舞台を観ています。

2016年8月、9年前の初舞台から密かに(?)愛でてきたりくちゃんに、本格的に囚われていることをやっと自分で認めました。
これからはおおっぴらにファン道を歩きたいと思います(笑)

モトサポ歴は16年余。
何があろうと「モトヤママサシ至上主義」です。
同時に79年組を偏愛してます。
黄金世代は永遠です。
モトが18年在籍したクラブへの愛着はありますが、2016年は鹿観戦は少しお休みし、初心者ギラヴァンツ北九州サポとして一から勉強する所存です。

ヅカネタもサカネタも、基本的にミーハーかつフジョシ目線で語っております。
NGな方はスルーをお願いします。

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